紫外線

太陽光に含まれる紫外線は、塗膜の樹脂成分を分解し、色褪せやチョーキング（白亜化）を引き起こします。

雨水

雨水は塗膜の防水性能を低下させ、ひび割れや剥がれの原因となります。また、湿気はカビや藻の発生を促進します。

風

強風は砂やほこりを外壁に付着させ、塗膜を傷つける場合があります。

温度変化

気温の変化による外壁の膨張と収縮は、ひび割れを引き起こす原因となります。

排気ガス

自動車や工場からの排気ガスに含まれる有害物質は、塗膜を劣化させます。特に交通量の多い地域では影響を受けやすいです。

塩害

海に近い地域では、潮風に含まれる塩分が外壁に付着し、腐食を促進します。横浜市沿岸部では注意が必要です。

定期的な点検

外壁の劣化は初期段階では気づきにくいため、プロの業者による定期的な点検を強くお勧めします。専門家の目によるチェックによって、ひび割れやチョーキング（白亜化）、シーリングの劣化など、劣化の初期段階を発見し、適切な対策を講じられます。早期発見・早期対応は、大規模な修繕を防ぎ、結果として修繕コストを抑えられます。

適切な塗装

外壁の長持ちには、外壁の状態や周辺環境に合った塗料選びが欠かせません。近年では、耐久性、防水性、防汚性に優れた塗料が数多く開発されており、シリコン塗料やフッ素塗料などは、耐候性が高く、紫外線や雨風から長期間外壁を保護する効果が期待できます。また、遮熱性や断熱性に優れた塗料を選ぶと、室内の温度環境を快適に保ち、光熱費の削減にも繋がる可能性があります。塗料選びは、初期費用だけでなく、長期的なメンテナンスコストも考慮に入れて選びましょう。

シーリングの補修

外壁の継ぎ目や窓枠、ドア枠などの隙間を埋めているシーリング材は、建物の防水性を保つ上で非常に重要な役割を果たしています。しかし、シーリング材は紫外線や温度変化の影響を受けやすく、経年劣化によってひび割れや剥がれが生じてしまいます。シーリングの劣化を放置すると、そこから雨水が浸入し、内部の腐食や雨漏りの原因となる可能性があります。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合には、早めに打ち替えなどの補修を行うのが重要です。

こまめな清掃

外壁に付着した汚れを定期的に清掃するのも、塗膜の劣化を抑える上で有効な手段です。排気ガスやほこり、カビ、藻などの汚れを放置すると、塗膜の劣化を促進するだけでなく、美観も損ねてしまいます。高圧洗浄機などを使用する場合は、外壁材を傷つけないように注意が必要です。さらに、汚れにくい塗料を選ぶと、清掃の手間を省けます。

外壁の色変化・色褪せ

新築時と比べて外壁の色が変わっていたり、色褪せて見える場合は、劣化のサインです。これは、太陽光に含まれる紫外線が塗料の顔料に影響を与え、変色や退色を引き起こすためです。特に、南面など日当たりの良い場所から劣化が進行しやすい傾向があります。色褪せは、美観を損ねるだけでなく、塗膜の保護機能の低下を示しており、放置すると他の劣化症状を招く可能性があります。

外壁表面の異変（カビ・コケ・サビ）

外壁の表面にカビやコケ、サビなどが発生している場合も、劣化のサインです。

カビ・コケ

日当たりの悪い場所や湿気の多い場所に発生しやすく、美観を損ねるだけでなく、建材の腐食を促進する原因となります。放置すると根が深く入り込み、除去が困難になります。

サビ

金属部分（釘、ビス、手すりなど）に発生しやすく、経年劣化や塗膜の剥がれ、ひび割れなどが原因で発生します。サビを放置すると、金属部分の強度が低下し、建物の耐久性にも影響を及ぼす可能性があります。

塗膜の異常（浮き・剥がれ）

塗膜の浮きや剥がれは、塗料表面の一部が浮き上がったり、剥がれたりしている状態を指します。塗料は、紫外線や雨風、温度変化などの影響を受けやすく、時間の経過とともに密着性が低下する場合があります。浮きや剥がれを放置すると、そこから雨水が浸入し、外壁材の腐食や雨漏りの原因となります。広範囲に及ぶ場合は、早急な塗装が必要です。

シーリング材の劣化

シーリング（コーキング）材は、外壁材同士の隙間や窓枠との接合部などに使用され、防水性や気密性を保つ重要な役割を果たしています。シーリング材は、紫外線や温度変化などの影響で経年劣化し、硬化、ひび割れ、剥がれなどの症状が現れます。シーリング材の劣化を放置すると、雨水が建物内部に浸入し、構造躯体の腐食や雨漏りを引き起こす原因となります。定期的な点検と補修が重要です。

チョーキング現象

外壁を触った際に、手に白い粉が付着する現象をチョーキング現象といいます。「粉状劣化」や「白亜化現象」とも呼ばれます。これは、塗膜の表面が紫外線などの影響で劣化し、塗料に含まれる顔料が粉状になって表面に現れる現象です。チョーキングが発生している外壁は、防水性が低下し、汚れが付着しやすくなったり、カビやコケが発生しやすくなったりするため、再塗装を検討する必要があります。

外壁のひび割れ（クラック）

外壁に見られるひび割れは、劣化の重要なサインの一つです。ひび割れには、幅0.3mm未満の「ヘアークラック（微細なひび割れ）」と、幅0.3mm以上ある「構造クラック（構造的な問題に起因するひび割れ）」の2種類があります。ヘアークラックは比較的軽度なひび割れですが、構造クラックは建物の構造に影響を与える可能性があり、雨漏りの原因にもなるため、早急な対処が必要です。

サイディングボードの不具合

サイディングボードは、外壁に使用されるパネル状の建材で、防水性や意匠性を高める役割を果たしています。サイディングボードに反り、浮き、割れなどの変形が発生している場合は、湿気の浸入や建材の劣化が考えられます。特に、反りや浮きは、内部に雨水が浸入しやすくなるため、注意が必要です。放置すると、サイディングボードだけでなく、建物内部の構造にも悪影響を及ぼす可能性があります。